30 1月

翠の窓vol.27 : 除雪初日の出来事

 

Suiをオープンして初めての冬。雪が降る前にお客様に呼びかけたことは、「冬期間は予約制にします」ということだった。

土地のお年寄りが「こんなに雪が降った年は記憶にない」と話してくれた年に移住したので、そのときの積雪量が、まず思い浮かんでしまう。

せっかくお客様と出会えたのに、店の横を流れる川に落ちるような事故があっては一大事なので、お客様と連絡をし合い安全に安心して冬の風景を楽しんでいただきたい思いがあった。

雪かきは川沿いに壁になるように積んで車が落ちないようにしようか。

川沿いにポールを立てリボンをつけて段差の目印にしようか。

大きなプランターにいっぱい土を入れて川沿いに置いておこうか。

など雪が来る前にいろいろ考えた。

12月に雪がドカンとやってきた。2階から眺めながら雪除けの構想を繰り返しているうちに、雪を川に捨てて川筋を出しておけば危険なことにはならないことが分かった。雪除け用の「ダンプ」に雪を載せ雪の上を滑らせて川に捨てると雪のブロックがゆっくり川を流れ出す。透明度のある川に雪のブロックが列をなして流れていく。ブロックのてっぺんは水を含んではいるが水面からちょっとだけ出ている様子を見ながら、「こんな雪でも氷山の一角の真似事をするんだな」と笑ってしまった。川沿いから取り掛かり延べにして8時間の除雪をしたら、冬ならではの広々としたグランドになった。駐車場を道路に近い所に確保するなど冬対応の諸々の事が解消された。

近所の方のご好意で除雪機をお借りすることができ、天気予報でどのように天候の変化を知らされても不安は解消され、雪の日のお客様の来店についても心配無用となった。

除雪初日の出来事である。

川を有効利用しての除雪

川を有効利用しての除雪

(B)

2010.1.30

29 1月

翠の窓vol.26 : 春に向かう

 

「バンケが出そうな天気だのう。」

とのお客様の声。

本当に今日の日差しは春そのもの、朝から、青空に白銀の鳥海山が輝いています。こんなによい天気は久しぶりのこと、雪はあらかた消えてしまい、畦にわずかに白いものが見えるだけです。

Suiをオープンして以来、冬の除雪が大きな課題でした。

vol26-1

12月中旬の大雪第一波では、いよいよ除雪に向き合わざるを得ず、とりあえず人力で雪除けをしましたが、店の横を流れる小川に雪を落としていくと、何とか駐車スペースも確保できました。

この農道脇の小川の流れは、その風情やせせらぎの音がお客様に好評でしたが、雪の季節にも、Suiにとってかけがえのない宝物となりました。

その後、除雪機を貸してくださるとの申し出があって、本当にありがたくお借りすることになり、除雪の心配は一挙に解決することになって心から安堵しました。年が明けて何度か雪が降りましたが、積雪量は少なく、幸か不幸かせっかくの除雪機の出番はまだありません。

暦はもう2月、まだ雪の日はあることでしょうが、「春に向かう」日々と思うと気分は軽やかになります。バンケを摘む日も遠くないことでしょう。

(Y)

2010・1・29

 

満開になった啓翁桜

満開になった啓翁桜

07 1月

翠の窓vol.25 : やまびこの響きあい

 

1月7日、Suiは、延べ3000人目のお客様を迎えました。

お店を展開することなど考えてもいない頃「万助小屋は高校の山岳部が管理している」ということを知りました。鳥海山に登ったこともない、ましてや万助小屋など見たこともないのに、私には「万助小屋」が興味深い小屋に思えてきました。

以前、月山の清川行人小屋に泊まっているときのこと、記憶は定かでないのですが「国体予選」の競技中に天候が悪化したため、夕方テントを撤収して高校生が山小屋に入ってきました。ずぶぬれの皆さんが声を出すでもなく、手際よく片付けて休みました。翌日は山小屋のおじさんに挨拶をして朝早くの行動でした。小屋はきれいに整頓されていました。あのような高校生が伝統を受け継いでいるのでしょうから、さぞやきれいに管理されているのだろうと私には「万助小屋」のイメージができてしまったのです。

昨年の4月26日に産声をあげたSui。

両手を広げても足りないほど裾野を広げた鳥海山の麓にいます。

健康な暮らしの先に豊かな暮らしを見つけました。

素敵な時間を共有できたらと思います。

と書いて案内状を発送しました。

山麓から鳥海山を眺め、霊気を頂戴している者として何かしら鳥海山に応援できることはないかと考えながら「お客様一人につき5円の積み立てをして山と響きあいたい」と思うようになりました。Suiが丁度一周年を向かえた時に、鳥海山を愉しんでいただいたお客様たちの志として、万助小屋を管理している高校生たちに届けたいと思っています。一周年で何人のお客様を迎えているでしょうか。

2010年もお客様と共にやまびこの響き合いを意識しながら展開していきます。

(B)

2010.1.7

01 1月

翠の窓vol.24 : 『庄内の美しいハート』

 

新年おめでとうございます。

2010年の幕開け、新たな希望を持ってお過ごしのことでしょう。

緑萌えいずる4月にオープンしたSuiの窓から、今は真っ白に雪を頂いている鳥海山が墨絵のような趣で凛とした姿を見せています。私たちは、遊佐に移って5年目の冬景色の中で新年を迎えました。

時折、「何もない遊佐に移って、退屈しませんか」というようなことを聞かれることがありますが、とんでもない、こんなに豊かな地に巡り合った幸運に感謝こそすれ、退屈を感じたことは一度もありません。

おいしい水、きれいな空気、豊かな食材、人々のやさしい心根、そして美しく豊かな自然・・・

遊佐に移って間もなく、かつて、この地を『庄内の美しいハート遊佐』と詠んだ詩人がいたと聞きました。何と素晴らしいフレーズなのか!と衝撃を受けました。この自然の中に住んでみて、遊佐はまぎれもなく『庄内の美しいハート』であることを実感し、またそう例えられることに、誇りを感じます。

今年も、Suiが、『庄内の美しいハート遊佐』の一端を感じていただける場所として皆様をお迎えできたらこれに勝ることはありません。

(Y)2010.1.1