21 11月

翠の窓vol.52 : 満月

4時半過ぎ、鳥海山の東の山裾がホッと明るくなったかと思う間もなく月が顔を出し始めました。

「あっ、出ましたよ。」

と声をかけると、

「おうーっ・・・」

「えっ、なに!・・・月?」

「出てきた出てきた。」

「こんなの見るの初めて。」

と、店内に居合わせた3組のお客様方は、突然の天体ショーに興奮気味。

みるみるうちに、薄いイエローの月がまんまるい姿を現しました。見事な見事な満月です。皆さん、持ち合わせのカメラや携帯でパチパチ。裏手の舞沼に映る満月を写しに行かれた方も、満足そうに戻って来られました。

今日は、朝から夕方までほとんど雲が出ず、雪を頂いた鳥海山が青空にくっきりとその白い姿を見せていました。こんな日は一年の中でも数えるほどしかありませんし、しかも満月の日だったので、朝からとても楽しみにしていたのです。

期待に違わず、見事な月の出を見ることができました。居合わせたお客様方は、今日が満月とも思わずにいたようで、思いがけないサプライズになったようです。

店内の明かりを落とすと、夕闇が迫った中で中空に上がった満月が煌々と輝きを増していき、あたり一面に月明かりが広がって、鳥海山が濃いグレーに浮かび上がってきました。皆さん、しばらく声もなく見入っていました。

お天気と月齢と鳥海山が調和してみせてくれた、素晴らしい贈り物でした。

(Y)  2010.11.21

09 11月

翠の窓vol.51 : 虹の里

虹

薄曇りながらあまり寒くはなしと、日の出の直前に散歩に出ました。

冷たい空気を切って歩き出すと、気持ちが清々としてきます。鳥海山の上の方にはグレイの雲がかかっていますが、西の空には青空も少しのぞいていて今日もまずまずのお天気が期待できそうです。

途中でパラパラと雨が落ちてきましたが、いつの間にか昇ってきていた朝日の雲間からの光を受けて光る様に見惚れて歩いていましたら、

「あっ、虹!」

みるみるうちに大きな大きな虹色の半円になりました。七色がそろった満点の色合いです。片方が田んぼの中から伸び上がった半円が、もう片方を100メートルほど先の車道に吸い込ませています。あの虹の足元に立ってみようと歩きだすと、あれっ! 虹も一緒に先に進んでしまいます。小さい頃、お月様と一緒に歩いたあの感覚です。

へえ、虹もそうなのか・・・ と、この歳になっての発見です。

しばらく歩くと、袋地の林から伸び上がった虹が、朝日に照らされた我が家の緑の屋根に吸い込まれているではありませんか。すご~い、何か大きな宝物をもらったような気分です。

実は、雨の合間にお日様が射すとき、Suiの窓から度々虹を見ることができます。それも、多くはちゃんとした半円で、時には二重に出現するときもあります。ここは虹の里だなと密かに思っているほどです。ちょうど運良くSuiの窓から虹を見ることができたお客様は、みな、

「わっ虹だ!何かいいことがあるね。」

と歓声を上げます。

晴天の鳥海山の景色は素晴らしいけれど、雨や曇天の日にも、こんな素晴らしい贈り物があるんですよ。     (Y)     2010.11.9