25 5月

翠の窓vol.69 : 田園はSuiカラー

2011

2年前Suiのオープンを控え、ショップカードのデザインを考えていたとき、デザイナーから提案された数種の色から、私たちは躊躇なくきみどり色を選びました。スイ(翠)という店名の色合いと響きにマッチするきれいな色だと思ったからです。

鳥海山と田園を日々眺めていると、このカラーがこの場所にこの店にピッタリのものだったと、その選択の妙に感じ入っています。

初夏に向かいつつある今まさに、Suiの周辺はこのSuiカラーに溢れています。

植えられたばかりの早苗

畦道の草

木々の若芽

鳥海山を這い登っている緑の帯・・・ どちらを向いてもSuiカラー!

夕方6時を過ぎて、花農家のご夫妻が仕事が一段落して、Suiの辺りはきっときれいだろうと車を走らせて来てくれました。6時を過ぎてもまだ十分に明るく、鳥海山はくっきりとした姿を見せてくれています。ウッドデッキで、水田を渡ってくる風を感じながら緑を堪能して、「来てよかったぁ」と言って帰られました。

お天気のよい日に恵まれ、5月は大勢のお客様に来ていただいていますが、この春から初夏にかけての田園と山の美しさは何物にも変えがたく、更に一人でも多くの方々にこの景色を目にしていただきたいと願っています。

その輝くような美しさはこの時期だけのもの、緑の変化は本当に早く、日に日に濃い緑色に変わっていきます。その変化は、昨日から今日へ今日から明日へ、その境目を見分けることはできませんが、確実に夏の緑へと移っていく自然の営みです。

(Y)

2011.5.25

18 5月

翠の窓vol.68 : いつでも一番

 

「ここの風景は、いつが一番いいですか。」と、今日もお客様に聞かれました。その都度「う~ん・・・」と躊躇するのですが、というのも、いつでも素晴らしいからです。でも、あえて言えば、ちょうど今頃。

「初春から緑が萌え出す頃は、それはそれはきれいですよ。」

とお伝えしています。

木々の若芽が出始め、冬の間は色を失っていた林や山がぼんやりと霞がかかったようにけぶってきて、淡いきみどり色の木々の中に山桜などの薄いピンクや白い色が点在するようになると、山はいよいよふんわりとした『春紅葉』に静かに静かにわき立つようになります。

ここ数日ほんのわずかの間に緑色が勝ってきて、数日前からは、緑色の帯が鳥海山を這い登っていく様が見てとれます。空気も澄んでいるのか、昨日今日は、鳥海山がことのほかくっきりと見えゾクッとするほどに感じられるのは私だけでしょうか。

気が付けば今夜はちょうど満月のようです。黄色い大きな月が昇りました。煌々とした月明かりに、鳥海山が浮かびあがり、11時を回っているのに田植えをしたばかりの田に逆さ鳥海が映っているのも見えます。田んぼの遥か先の部落の明かりが4つ5つ、それも田に映りゆらゆらしている様は幻想的で、時の経つのを忘れて見入ってしまいます。

四季折々それぞれの良さ美しさは書ききれるものではなく、この時が一番とは決めがたいのですが、夜明けから夜更けまでの一日の中でも、刻々と変わりつつ思いがけない美しさを発見することが数知れずあります。

自然の営みに脱帽の毎日、豊かな自然の中で生かされている幸せに感謝する日々です。  (Y)

2011.5.18

09 5月

翠の窓vol.67 : 水 田

 

「えっ、これって川なの!?」

初めて来店し、窓の外を見たお客様が頓狂な声を上げました。

Suiの目の前の土門さんの田には、今年もいち早く水が張られ、水田がよみがえりました。風で一定方向にさざ波が立つと、本当に川の流れのようです。そんな時、窓のそばに立ち水面を眺めると、小船に乗って揺れているような錯覚に陥ります。

「これが田んぼになるの?」

と、これまたエッ?と思うようなことを言われる方もこれまで一人二人ではなく、思わず苦笑してしまうこともあります。庄内平野を見慣れていることでしょうに、店の中から間近に見る情景が、一瞬、春の田植え前の様子だと結びつかないのでしょう。

畦は日毎に緑色を増して、いよいよ緑の饗宴の季節の始まりです。

近頃は、店内に入る前に付近を散策したり、帰りに散策している方を多く見かけるようになりました。それは、ここに住んでから5年、裏手の小川に沿った道や、農道、沼の土手など、目が届く範囲を草刈りしてきた家人が密かに望んできた光景なのです。

5月になって、地域情報誌「クレードル」を片手に初めて来店される方も増えてきました。この日本の原風景とも言うべき美しい風景を、より多くの方々に知っていただき、見ていただけるのは、私どもの喜びです。

間もなく、土門さんの田では田植えが始まることでしょう。Suiでお茶の時間を過ごしながら、田おこしから田植え、稲の成長、黄金色の稲穂の波、刈り取りなど、田んぼの一年の変容を見せていただけるなんて、なんて贅沢なことでしょう。

鳥海山麓の四季折々の美しい風景を、今年も存分に堪能していただきたいものです。

早朝の山里は大気がピーンと張り詰めているように感じます 

早朝の山里は大気がピーンと張り詰めているように感じます

Suiは、今日にも、開店以来延べ9000人目の

お客様をお迎えすることになりそうです。   (Y)

2011.5.9

06 5月

翠の窓vol.66 : カーネーション

 

「これは、被災地の宮城県名取市から届いたカーネーションで・・・」

と言いかけると、どの方も少しはっとされる表情でカーネーションを見つめなおされるようです。

名取市では、被害を免れたカーネーションが次々に育って出荷時期を迎えても、それを切り取る手が足りなかったり、流通がと滞ったりして困っているということですが、それを直接分けていただくことができましたので、200本ほどのカーネーションをお店に飾りながら、お客様に一本ずつお持ち帰りいただきました。

「名取のカーネーション栽培ニュースをテレビで見ました。泥水をかぶって大きな被害を被っているそうですね。」

被災地:名取市で栽培されているカーネーション「大事に飾って応援します。」と、皆さん大事に持って帰ってくださいますので、お家に帰られたらご家族でひとしきり名取市の話題となって、それぞれに名取に思いを馳せていただいていることでしょう。

カーネーションといえば母の日、その母の日が間近になりましたが、被災地では、大切が大切なお母さんを亡くした方が大勢いらっしゃることを思うと、切なさがこみあげて涙が止まりません。

先日、石巻で被災されたお母さんにカーネーションを贈るつもりでいたというお客様が、是非この名取のカーネーションを贈ることにしたいということで、連絡先を教えました。

今日も名取から100本のカーネーションが届きます。母の日まで、皆さんにお渡しいたします。それぞれに大切なお母さんに思いを届ける幸せな母の日をお過ごしください。

(Y)   2011.5.6