「22山麓」だより 3
「22山麓」だより 3
『枕木のウッドデッキ』ができた。これをSui9周年記念とすることにした。枕木で設置する願望は6年前からの構想である。清里の清泉寮のウッドデッキ、でずしりと重いソフトクリーム片手に八が岳の峰々を眺めながら光と風を感じていたときのイメージが、「22山麓ウッドデッキ」の基本形である。
設置場所が整いだしたところに枕木と出会った。体に堪える作業ではあったが、日に日に広さを増すウッドデッキに励まされ、5月中に何とかSuiオリジナルデッキが形になり、デッキでサル―(Salud)と言って乾杯した。風がグランドミュージック。
この音。忘れることができない。アフリカ ケニアのサファリツアー。車のエンジン音を消したら、この空間は、どんな音がしているのだろうと、エンジンを切ることをお願いした。
「動物がどこにいるか分からないから危険。」と言いながらも応じてくれた。わたしは「しーん」とした静寂を想像していたのだが、そこには「ごぉー」という音があった。
「What?」
ドライバーは「Wind」と言った。
地平線が見えるケニアの国立公園。「これは地球の鼓動だ。」と思った。
「22山麓」にも、あの鼓動がある。止むことのない川の水音に、リズムを打つ蛙の音。エンドレスのシンフォニー「田園・June」の1楽章をスーパースペシャル席で聴いている。
衣替えの6月。ファッション雑誌を見ていた家人が、「こんなのどう。」と。「どこに着ていくの。熊にでも会いに行くのか。」と笑い話になる。
「22山麓」を意識してお洒落をすると、くっきりと原色が映える。オレンジと緑のダウンを着て雪の原を散歩した姉妹がいた。みどりの中で、黄金色の中で、これからの季節も原色の衣を着て動いている風景が眩しく映える。 (B)
2018.6.1