みどりの日に
翠の窓 vol.210
「みどりの日」に
お客様が1組帰られ、器を片付けていると、隣の席から、
「今日はかあさんの日だから」と言う男性の声が聞こえてきました。
あら、母の日かしら? それとも誕生日? と、ちょっと気になるお客
様は、30代位の男性と、そのお母様らしき女性の二人連れの方々です。
女性の方は、窓の外に広がる眺めに驚いたように見惚れています。
途中、家人が、外で写真を撮りましょうとお誘いして伺ったところ、息子
さんが、お母様の喜寿のお祝いの旅行をセッティング。前日温海温泉
に一泊し、今日Suiまで足をのばしてくださったとのこと。
旅行先を温海温泉「萬国屋」にしたのは、小さい時に連れてきてもらったことがあり、幼な心に忘れら
れない家族との楽しい思い出の地なので選ばれたとか。息子さんの優しい気遣いに、素敵な親子関
係を築かれてきたことが想われ、よいお話を聞かせてもらったなと思いました。
その後も楽し気に過ごしている様子に、つい目がいって、Suiが今この時のお二人の幸せな時間の場
なっていることが、とてもうれしく思われました。
その後に、年配のご夫婦と若いご夫婦、1歳くらい
の女の子の三世代5名のお客様が来店されました。
「この子も翠という名前なんです。」と抱っこしている
お父さんに言われびっくり!
そして、若いお父さんが、
「これ、ぼくが使っているんです。」
と、ポケットから取り出した車のキーに付いていたキーホル
ダーを見て、またびっくり!なんと、Sui2周年記念にお客様にお配りした四角い木のキーホルダーなのです。
年配の男性が、「ぼくがもらったのを、息子に譲ったんですよ」とにこにこ。
10年も前にお配りしたものを、こうして世代を越えて大事に使っていただいているなんて、本当に思いがけ
ないことで、大感激してしまいました。
みどりの日。
連休の終盤にさしかかり、多少の疲れも感じていたとき、思いがけず、ほっと心和ませていただいたお客様と
の出会いでした。 (弓) 2022.5.4