18 5月

みどりの日に

翠の窓 vol.210

「みどりの日」に

お客様が1組帰られ、器を片付けていると、隣の席から、

「今日はかあさんの日だから」と言う男性の声が聞こえてきました。

あら、母の日かしら? それとも誕生日? と、ちょっと気になるお客

様は、30代位の男性と、そのお母様らしき女性の二人連れの方々です。

女性の方は、窓の外に広がる眺めに驚いたように見惚れています。

途中、家人が、外で写真を撮りましょうとお誘いして伺ったところ、息子

さんが、お母様の喜寿のお祝いの旅行をセッティング。前日温海温泉

に一泊し、今日Suiまで足をのばしてくださったとのこと。

旅行先を温海温泉「萬国屋」にしたのは、小さい時に連れてきてもらったことがあり、幼な心に忘れら

れない家族との楽しい思い出の地なので選ばれたとか。息子さんの優しい気遣いに、素敵な親子関

係を築かれてきたことが想われ、よいお話を聞かせてもらったなと思いました。

その後も楽し気に過ごしている様子に、つい目がいって、Suiが今この時のお二人の幸せな時間の場

なっていることが、とてもうれしく思われました。

その後に、年配のご夫婦と若いご夫婦、1歳くらい

の女の子の三世代5名のお客様が来店されました。

「この子も翠という名前なんです。」と抱っこしている

お父さんに言われびっくり!

そして、若いお父さんが、

「これ、ぼくが使っているんです。」

と、ポケットから取り出した車のキーに付いていたキーホル

ダーを見て、またびっくり!なんと、Sui2周年記念にお客様にお配りした四角い木のキーホルダーなのです。

 年配の男性が、「ぼくがもらったのを、息子に譲ったんですよ」とにこにこ。

 10年も前にお配りしたものを、こうして世代を越えて大事に使っていただいているなんて、本当に思いがけ

ないことで、大感激してしまいました。

みどりの日。

連休の終盤にさしかかり、多少の疲れも感じていたとき、思いがけず、ほっと心和ませていただいたお客様と

の出会いでした。 (弓) 2022.5.4