翠の窓vol.6 : 天に星 地に蛍
天に星 地に蛍
ここ袋地に移住した3年前のこと、お風呂に入っていた家人が、窓の外の田の上で揺れている一匹の蛍を見つけました。
ここら辺りでは、きっと蛍が見られるのではと心待ちにしていたので、家の裏手から農道に出てみると、田の脇の小さな流れに沿って、いるいる!こちらに十数匹、流れの先にも十数匹、やさしい光をゆらしているではありませんか。
我が家の庭続きの所でこんなに蛍が見られるなんてと、しばし茫然。夕食後は毎夜ほたる見物に出るのが習わしになりました。
以来、6月は蛍の月、今年も心待ちにしているところです。
家人は、春早くから近くの水路に蛍の餌になるカワニナがどれほどいるか気にして見ていますが、この3年間に少しずつ増えているような気がすると言っています。確かに蛍の数も増えているように思います。
昨年は6月14日頃からほたる見物に出ていましたが、18日過ぎからその数を増して、時に、200~300匹もの数を数えることがありました。肌寒い日は、草陰に隠れているようにみえますが、蒸し暑い日は草むらから立ち昇るようにして乱舞しています。それはそれは幻想的な光景です。
杉木立の前の小川から舞い上がる蛍は、杉の梢を越えて飛び、星のきれいな夜は、一瞬星と見分けがつかなくなります。蛍も夜空の星を仲間と思って舞い上がるのではないかしら。
遊佐には、ひと昔前には数万の蛍が乱舞する所が各地にあったと聞きました。袋地に住まいを得て、その自然環境の素晴らしさに感謝する日々ですが、この地の蛍が数を減らすことなく毎年飛び交う環 境が維持されることを星に祈る日々でもあります。
(Y)
2009.6.8