02 11月

朝の花しごと

                        翠の窓vol.185

朝の花しごと       

 

風の音か?とふっと目が覚め、窓の外を見ると、まだ黒々とした影の中にある鳥海山の頭上に、灰色の雲がきれぎれに飛んで、その一つ一つが朝焼けのオレンジ色にふちどられている光景が目に飛び込んできました。

ちょっとドキッとするような、初めて目にする光景です。台風の影響の雲の流れかもしれません。

まだ起き出すには早い時刻でしたが、涼しさに誘われて庭に出ました。庭を一巡りしながら、店の花の準備にとりかかるのはいつものこと。

この時季、まずはアジサイいろいろ。今年は念願のチョコレートコスモスが元気よく育ち、惜し気なく切ることができます。白い大輪の花はカサブランカ。ヒオウギスイセンも、鮮やかなオレンジ色の花をつけ始めています。

切り取った花は、まずは玄関先の水盤入れていき、まとめて水切りをしておきます。

店内には、いろいろに花を飾りますが、この時季お客様の目を引くのは、アジサイの「フェアリー・アイ」です。バラのように花びらが数枚重なった小花が集まっている様が、とても可憐です。

鉢植えでいただいたものから、家人が数年かけ挿し木をして育て上げたものが、いくつか大きな株に育って沢山の花をつけるようになりましたが、その花があまりに可愛らしくて切るのを躊躇してしまいます。

美しいブルーが、これから少しずつ退化していって、秋色に変化していく様が、またみごとなので、その変化の様子を見ていくのが、これからの楽しみでもあります。

稲も緑豊かに育ちました。花を見ながら庭から畦道への散歩はいかがでしょうか。                     (Y)

                        2018.7.26