02 11月

おとぎ話の小屋

翠の窓 vol.166


おとぎ話の小屋

 

 Suiの林に、カラフルな小屋が

出現しました。

 黄色い板壁に赤い扉、緑の屋根、

白く縁どられて、おとぎ話の中に

出てきそうな外観の小屋です。

「あれは、ナンですか?」

「見に行ってもいいですか?」

「ナニが入っているのですか?」

と、興味津々のお客様もいらっしゃいます。

 以前から、農機具やら、店の備品やら、端材やらをしまう小屋の必要性に迫られていたのですが、家人は、ありきたりの小屋ではつまらないと、ここ数年、外に出る度にあちこちの小屋を観察しているようでしたが、気に入るものに出会えずにいて、小屋作りはずうっと先延ばしされていました。

 昨年、上山の陶芸家を訪ねる機会があり、その帰り道で、目に留まった小屋がありました。どうやら、そこは建築工房の庭のようで、訪ねてみると、庭には、黄や緑、ブルー、赤などカラフルな色使いのかわいらしい小屋が3棟並んでいて、在宅されていた棟梁(海老名さん)に、一般建築の他に家具や小屋作りもしているというお話を伺うことができました。

 家人は、こんな小屋が欲しかったんですよと興奮気味。とてもおだやかな語り口の海老名さんですが、「ものづくりは、楽しくなければ、美しくなければ、夢がなければ。」と語るその想いは、とても情熱的。それは家人の想いでもあり、初対面で意気投合してしまったようで、いつか我が家にも作っていただきたいと、一気に、念願の小屋作りの夢が現実味を帯びてきたのでした。

そして、今年になって、林の整備が大分進んだところで、小屋を建てたいと思う場所も確保でき、海老名さんに小屋作りを依頼しました。海老名さんとスタッフの伊藤さんが、上山から3日間通って、下準備のできた資材を運び、作業をして、あの黄色い小屋ができたというわけです。

 とてもきれいでかわいらしい小屋が出来上がり、さて、農機具など入れるのは、ちょっともったいない・・・何かもっと楽しく活用したいとの思いが強くなって、目下静観中というところ。

できたての色が鮮やかで、杉林の中ではまだ少し浮いた感じですが、風にあい、雨にあい、馴染んできた頃には、どんな使われ方をしているでしょうか。

楽しく夢いっぱいの小屋になぁれ。(Y)

            2016.5.29