02 11月

春のお茶会に

                       翠の窓vol.181

レモン考・その2


究極のレモンティ

 

レモンの香りに弱い・・・ その香りに触れると、社会人になって間もなく、横浜で一人暮らしを始めた頃に瞬時に引き戻されてしまうのです。

それまで住んでいた田舎では、ほとんど使うことのなかったレモンは、横浜での一人暮らしの身には、よほど魅力的なものだったのか、大好きな紅茶に入れたり、ハチミツ漬けにしてみたり位の使い方しかしていなかったと思うのに、その香りは、私にとって、あの若かった時代をパノラマのように思い出させる手品のたねのようです。

遊佐に移り住んで、またレモンからは少し遠ざかっていましたが、2・3年前から、神奈川の知人が育てている無農薬レモンを手に入れることができるようになって、レモンがまた身近なものになってきました。

昨年は、「レモン酢」(翠の窓vol.172)を知り、以来、レモンは無くてはならないものになっています。

同じ頃、有元葉子さんの本で「イタリア式レモンティ」を知り、レモンは更に日常生活に定着してきました。

それは大きめのマグカップに、レモン2分の1個(皮ごとそのまま、または ざく切り)とハチミツかメープルシロップを多めに入れて、スプーンで皮ごとガンガン押しつぶし、レモンの香りと果汁が沢山出たところへ熱い紅茶を注ぐという豪快なもの。正に目から鱗の、これぞレモンティという究極のレモンティです。薄切りのレモンを一枚紅茶に浮かべてい

たあれは、いったい何だったのか・・・

あなたが紅茶好きのレモンティ派でしたら、是非一度試してみてください。きっとビックリレモンティの世界観がひっくり返ってしまうことでしょう。

レモンの魅力はまだまだ沢山。次のレモン考をお楽しみに。 (Y)

2018.2.14

※レモンは、皮まで使いますので必ず防腐剤・ワックスを使っていない国産のものを用いてください。

                       翠の窓vol.182


春のお茶会に

 

 

あれほど積もっていた雪が、あれよあれよという間に溶けて、春が一気にやってきました。「北風と太陽」さながら、田園が春の陽ざしに雪の衣をぬぎすてたようです。

鳥海山の雪も、薄紙をはぐように溶けていくのでしょう。種蒔きじいさんの姿がかすかに浮かびかけてきて、春の農作業が始まるのももうすぐ、わずかに暖かい風に心も溶けていくようです。

正木春藏さんから、その名の通り春を告げるような器が届きました。

おなじみの『草花文マグカップ』は、今回は大きなサイズです。赤い花の回りを可憐な草花がとりかこみ、蝶・蜂・トンボが楽し気に飛んでいます。大ぶりなカップながら、取っ手の角度が工夫されてしっかり持つことができ、たっぷりの飲み物をいただくことができます。

『花散らし文筒』は、Suiでは今回初めてお目見えの文様、優しげな色使いが魅力です。小ぶりな湯呑みとして、とびきり美味しいお茶を静かに味わいたい気分の器です。酒器としてもおしゃれです。

『呉須赤絵マグカップ』は、手の平に馴染むふくらみのある形がかわいらしく、赤絵にわずかに加えられた金彩が華やかさを添えています。

『輪花桜文浅鉢』は、ほどよい大きさの浅鉢ですから、普段のお惣菜を何でも受け止めてくれることでしょう。

おひたしなどを底にあっさり盛りつけても、ポテトサラダのようなものをこんもり盛っても、汁物でも、盛りつけやすい器です。

この春、私一番のおすすめは、この浅鉢を菓子鉢として使うこと。桜餅などを入れ、お気に入りのカップに美味しいお茶を用意して、お一人でもお集まりでも、春のお茶会などいかがでしょうか。

どうぞ手に取って、あなたの一客を見つけてください。

この春新しい出発をされる若い方などに、お祝いとしてもきっと喜んでいただけることでしょう。(Y)

2018.3.15