25 11月

山の日、森で・・・「末宗美香子展」に思う『22山麓グランドデザイン中間発表会』

                        翠の窓vol.196

山の日、森で・・・

「末宗美香子展」に思う

『22山麓グランドデザイン中間発表会』

今日は「山の日」。制定されてから4年、

やっとなじみ始めた若い祝日です。

長く「海の日」には慣れ親しんできたのに、

なぜ「山の日」はなかったのか・・・

海派同様、山派の人も大勢いるわけで、

我が家は断然山派人間で、鳥海山を眼前に一望する土地に住むことになったのは、信じがたいほどの幸運だったといえましょう。

根っからの山派の家人は、鳥海山の眺めと同様に、裏の杉林にも興味津々、何とかこの杉林の山を相手に過ごせないものかと四六時中考えていたようで、間もなく念願が叶い、その一部を入手すると同時に、その何倍もの杉林を借りることができました。

それからは、寝ても覚めても杉林。下草を刈り、積もりに積もった古い杉の葉を掘り起こし、杉の木を間伐し、枝を払い・・・と整備を続け(一緒に作業をしてくれる仲間にも恵まれました)、少しは人にも林の中を歩いてもらうことができるまでになったかというところで、「山の日」の制定となり、我が意を得たり、「山の日」のイベントをささやかに続けてきました。

店内の壁画の作者、末宗美香子さんが、大きな布に人物像を描いていることを知って、林の中での展示会を初めて催したのもこの頃のこと。

この布の絵は、ベルリンでは由緒あるホテルの吹き抜けに掲げられましたが、東京では室内ギャラリーの壁から床に届いてしまう状態での展示となったのはやむを得ないことだったのでしょう。

同時に、林の整備が進む中で、杉林の樹々の間に展示するアイディアが出て、実施してみると、閉ざされた屋内の展示よりも、長い布が生かされた素晴らしい展示になっていると思われます。

整備された林は、それだけで気持ちの良い空間ではありますが、長い布絵が展示されることで、全く異なった雰囲気を生み出し、林という自然空間の良さや特徴を際立たせてくれるように思います。

ご覧いただく皆様には、林の中に立ち、布絵という作品に全身を囲まれて、空間全体を体験(見たり、聞いたり、感じたり、考えたり)することができ、展示空間を含めた全体作品として、体感していただけることでしょう。

風に揺れる空想の13人の人物は、あなたにとって妖精か、異邦人か、彼女達のささやきが聴こえてくるかもしれません。

(Y)

              2019.8.11 山の日に