01 6月

翠の窓vol.5 : ハービーさんのモーニングカップ

ハービーさんのモーニングカップ

 

「紅茶って、こんなふうにたっぷり入れていいんだ。」

と、思わず見入ってしまったのが、ハービーさんのモーニングカップとの出会いです。藤沢の工藝サロン『梓』を初めて訪ねたとき、お茶をどうぞとオーナーが出してく

ださったのです。

紅茶が好きで紅茶カップもお気に入りを幾つか持ってはいましたが、全て磁器製の薄手のもの。マグカップにたっぷりの紅茶を入れることもありましたが、ハービーさんのティーカップは、全然別世界のもの。ちょっとしたカルチャーショックでした。

 とっ手に指がしっくり入って支えられるので、お茶が入った重みも心地よいくらいです。形の良いフォルムの丸みに片手を添えて、ゆっくりとたっぷりといただいた紅茶のおいしかったこと。

 その日から、ハービーさんのブラウンのカップと薄いブルーのカップが我が家の食器棚に収まりました。紅茶に、コーヒーに、スープに・・・と、気が付くとハービーさんのカップを手に取っていることが多い毎日です。

 ハービー・ヤングさんは、現在 益子町に陶房を構え作陶されています。マグカップ、コーヒーピッチャー、ティーポット、スチームクッカー、皿・・・ どれもとても大らかで温かい作風です。

 ギャラリーでその一端をご覧ください。

(Y)           2009.6.1

                     

23 5月

翠の窓vol.4 : 初夏の風の中で

初夏の風の中で

 

 Suiの白い壁に、ブランコをゆらす妖精が出現しました。

 カラフルなドレス、大きなリボン、鳥海山に向かい軽やかにゆれている、その足元には真っ赤なハイヒール・・・

 そして、《 I CAN RECOGNIZE THE SONGS OF MOST BIRD 》

【わたしはどんな鳥の歌も聴き分けられる】とのメッセージ。

 遊佐の豊かな自然の営みに耳をすましながら揺れているようです。Suiに集う方々の心の声にも耳を傾けているかもしれません。

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 ギャラリー&ティールームを開こうと決めたとき、真っ先に末宗美香子さんの壁画があったらどんなにおしゃれな空間になることだろうと思い、「末宗さんの絵が似合うギャラリー&ティールーム」というのが、建物のイメージ作りの基になりました。

 末宗美香子さんは、オープニングギャラリーで紹介しているように、日本や韓国の企業社屋に壁画を描いたり、本の装丁や挿絵を手がけるなど、活躍の場を広げている新進の画家です。何度か訪れた遊佐を気にいり、遊佐の自然と対峙しながら壁画の構想を練って、今回の壁画作りが実現しました。

初夏の風の中、ブランコで軽やかに揺れる気分で、緑増す田園の風景をお楽しみください。

(Y)      2009.5.23

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14 5月

翠の窓vol.3 : 母の日に

ギャラリー風景

ギャラリー風景

母の日に

 

「母の日ですか?」との問いに、会計を済まされた娘さんと息子さんはうなずきながらニコニコしています。お母さんも、

「ここに一緒に行こうと言うものですから・・・」

と、母の日のサプライズだったようで、とてもうれしそうです。

 5月10日の午後は、お客様が一組帰られると入れ違いに、3組のお客様が次々に来店され、ティールームは満席になりました。オーダーに対応するのが精一杯で、個々のお客様を見ている余裕がありませんでしたが、冒頭のお客様の席では、飲み物とシフォンケーキを頼まれて和やかに過ごされており、娘さんと息子さんと思われるお二人がお母さんにプレゼントを渡しているような様子を目の端に感じていました。

 それで、お帰りの時に「母の日ですか?」とお聞きしてみたのでした。

 翠のささやかなテーブルが、母の日の舞台になり、一組の家族のお母さんへの温かい思いに満たされていたなんて・・・ これは私たちにとってもサプライズ、思いがけない贈り物に感激してしまいました。

 鳥海山と田んぼの広がりを目の前にゆったり過ごしていただければとの思いでオープンして2週間、この先も、やさしい想いがただよう場であってほしいと願わずにはいられません。

(Y)     2009.5.14

笙ヶ岳に現れた「種まきじいさん」

笙ヶ岳に現れた「種まきじいさん」

04 5月

翠の窓vol.2 : 水田

「白い道」"しらい自然観"につづく道

「白い道」”しらい自然観”につづく道

  『水田』

 

 我が家から町中へ下りていくとき、遊佐の田の広がりを一望できる峠があります。この峠を、私たちは密かに「ブリューゲルの峠」と呼んでいます。ここから見る様子がブリューゲルの『雪中の狩人』の絵にそっくりの景色なのです。

 この峠から、この時期次々と水の張られた田が増え、それが日に反射して輝く様を見ると、これぞまさに『水田』、田が「生き返った」という感じがして心が弾んできます。

 翠(Sui)の目の前の土門さんの田にも、今年も一番に水が張られました。

 風のないときには、田植え前と苗の背が伸びるまでのわずかな期間、鳥海山が逆さに映るのが見られます。

 わずかでも風が出ると、水面にはさざ波が立ち鳥海山はたちまち姿を消してしまいます。さざ波が一定方向に流れるとき、ティールームに座っていると、まるで船に乗っているかのようです。

 今日は、土門さんの田の田植えが行われました。水面にはわずかに緑がテンテンとしてくると、田は一段と精気を感じさせるようです。

 ティールームに座って、田植機がゆっくり進んでいくのを見ているなんて、なんて

贅沢なことでしょう。この先、翠からは、日に日に変化する田の様子を見ることができますし、土門さん一家が働く様子を見させていただくことになります。

 土門さんに感謝しながら、稲の成長と刻々の変化を楽しみたいと思います。

 翠から帰られるとき、「ブリューゲルの峠」を徐行して遊佐の水田を眺めてくださったら、それが今日のお土産の一つになることでしょう。

(Y)

2009.5.4

田植えの日和

田植えの日和

26 4月

翠の窓vol.1 : ようこそ『翠』へ

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ようこそ『翠』へ

 

「わあ、すごいねぇ」

というのが、我が家を訪ね鳥海山を眺めた方が発する言葉です。そして、「遊佐にはこんな所があったんだね」と。

 今日、『翠』をお訪ねくださった皆さんの第一声は、いかがでしたか?

 なだらかな田の広がり、その先に両裾を長く引いた鳥海山、そして真っ青な空・・・            

 初めてこの地に立ったとき、探し求めていた地がここにあったと直感しました。

 それから3年間、四季折々の景色に飽きることなく見入って過ごしてきました。日ごろ見慣れて、そこにあって当たり前の景色としてきたこの土地の皆さんも、あらためて「いいところだなぁ」と感じ入って眺めてくれます。

 これほどの景色を独り占めしていては申し訳ない、たくさんの方々と共有できる時間がもてたらとの思いから、『翠』をオープンするに到りました。

 目の前の田は、稲の成長に従って日ごと季節ごとに様々な様相を見せてくれます。これからは、近くの林や吉出山も、数え切れない緑の饗宴を繰り広げてくれます。

 そして、鳥海山は・・・

 どうぞ、度々『翠』の窓辺からゆっくりその姿をお楽しみください。  (Y)

                           2009.4.26

 

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03 9月

Suiオリジナルメニュー 美味しさの三重奏「ジンジャーカボスティ」

翠の窓vol.143

Suiオリジナルメニュー

美味しさの三重奏「ジンジャー カボスティ」 143pic1

 

カボスが手に入る季節になったので、今年も「ジンジャーカボスティ」をメニューに加えました。

初めて飲まれたお客様が、ジンジャーティを口にして「あっ、これだけで美味しい」とつぶやかれるのを聞く度にうれしくなります。ジンジャーティだけで十分美味しいのですが、カボス果汁の爽やかな酸味が加わった美味しさは、初めての味という方がほとんどでしょう。

ジンジャーティは、大分前から一般的な飲み方になっていますが、私は昔からカボスが出回るとカボスティにして飲むのを楽しみにしてきました。昨年の初冬、ふと、美味しいものどうしのジンジャーティとカボスティを一緒にしたらどうかしらと思いついて作ってみた「ジンジャーカボスティ」が、思いがけない美味しさでしたので、毎朝飲むのが習慣になり、Suiのメニューにも加えてみました。

昨年、飲み始めて2か月経ったころ、はきなれたズボンにゆるみを感じるようになって、体重も明らかに減っていったのは、うれしい副産物でした。燃焼系のジンジャーとビタミンたっぷりのカボス果汁が思いがけない効果をもたらしてくれたようです。

使っているのは、有機栽培の国産(静岡)紅茶、有機栽培の生姜や国産レモンなどで作られるジンジャーシロップ、無農薬で作っている神奈川県のカボスと、吟味したものばかり、「美味しさの三重奏」が今年のキャッチフレーズです。

今年も、メニューに加えて1か月、リピートされる方が目立つようになり、お友達にも勧めてくださっている様子がうかがえ、Suiの秋冬のお勧めメニューとして定着していけそうです。        (Y)

 

 

2014・10・19

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雪帽子を被った鳥海山。初めて姿を現した19日の「22山麓」からの映像。