Suiの窓から
翠の窓vol.197
Suiの窓から
風はすっかり秋の気配、気持ちの良い秋晴れの日が続いています。
今日は、3連休の中日、申し分のない晴天でした。
途切れなく続いた午前中のお客様たちが、ほゞ一斉に帰られ、午後は、1時過ぎから、2人連れのお客様が4組、次々に来店され、すぐ満席になりました。
ご注文の品をお出しして、シンク周りを片づけ、ふと気付くと、どの席のお客様も、2人ずつ同じように窓の方を向いて座られ、ゆったりと過ごされています。声高に話される方も、おしゃべりに夢中になっている方もなく、どなたも、ただただ窓の外に広がる鳥海山と田園の様に魅入っているのが感じられました。
鳥海山は、頂上までくっきりと緑の姿を見せ、その向こうには、澄んだ青空を背景に、もくもくとした白い雲、田の稲はたわわに実って、さんさんとふりそそぐ陽の光に、黄金色に輝いています。
雲が少しずつ形を変え、時折り白鷺が餌を求めて飛び交ってはいるものの、音もなく静かな時間が流れています。
店内は、時折り、その眺めの感想を伝え合っているらしい小さな声が聞こえるだけ。
なんと静かな豊かな時間でしょう。
次のお客様が来ることもなく、8人のお客様貸切りのような、ゆったりしたミラクルな時間は、小1時間ほど続きました。
それぞれのお宅にいては、これほど雄大な眺めにひたることはなかなかかなわないことでしょう。4組のお客様たちは、どんな感想を持ってお帰りになられたのか・・・
Suiが、日曜日の午後の豊かな時間を提供できたとしたら、こんなうれしいことはありません。
この地に住まいして12年、この美しい景色がよくぞ変わりなく続いていてくれるものだと、感謝の念でいっぱいです。この先も、永く永く、私たちの喜びでありますように。 (Y)
2019.9.15