02 11月

「22山麓」だより

 「22山麓」だより

 

石田典子さんの春の作品展を『花と街』とした。

江間章子さんと團伊玖磨さんコンビの『花の街』

が口をついてでた。

ラジオから流れた都会的でお洒落な歌だったなぁ。

 

七色の谷を越えて

流れていく風のリボン

輪になって輪になって

かけて行ったよ

春よ春よと

かけて行ったよ

 

美しい海を見たよ

あふれていた花の街よ

輪になって輪になって

踊っていたよ

春よ春よと

踊っていたよ

 

すみれ色した窓で

泣いていたよ街の角で

輪になって輪になって

春の夕暮れ

一人さびしく

泣いていたよ

 

初めて返信用封筒を入れて投函した先は、日本放送協会「みんなのうた」係だった。

「おお牧場は緑」の伸びやかな歌声に少年は「牧場」にシフトした。送られてきた

楽譜は、二つ折りでなく三つ折りになった洒落た楽譜だった。TVの前に座って大きな声で歌った。「みんなのうた」の本が発売された頃に、三つ折りの楽譜の姿は消えた。

「22山麓」で歌うこともなくなった昨今、この日、風呂に入っても歌っていた。久々に歌った。歌うことを忘れていたなぁ。

 

※「22山麓」は、鳥海山の標高2236Mをオリジナル名詞にした造語です。