02 11月

―岡田直人さんの器―         使い勝手の魅力 造形の魅力

翠の窓vol.159

―岡田直人さんの器―         

使い勝手の魅力 造形の魅力

 

「これ、お茶っ葉が詰まらない?」

と、お客様に問われて、「詰まりませんよ。」とお答えしたのに、

「本当にお茶っ葉が詰まらないの?」

と重ねて念を押されました。「うちでは、朝晩使っていますけど詰まりませんよ。」と伝えましたが、「詰まらないの?」と再三の疑問。

 どういうこと?今どき、そんなに茶葉が詰まって困る急須があるのかしらん?

 お客様が手にとっていたのは、岡田直人さんの白磁の『丸ポット』です。我家では、仕入れてすぐからもう4年あまり使っていますが、茶葉の詰まりを感じたことは一度もありませんし、洗う時も、二度ほど水を注いで軽くゆすって流せば茶葉は簡単に取り除かれ、不都合に感じられることは全くありません。細い注ぎ口からはスムーズにお茶を注ぐことができ、液だれすることもない使い勝手の良いポットですから、日本茶だけでなく紅茶を入れるときも、自然とこのポットに手が伸びます。これが普通のこととして使ってきましたので、先のお客様のような疑問を聞くこと自体、いぶかしく思えてしまいました。

 この日の夕方、思いがけなく岡田直人さんから久々の荷が届きました。出来上がってきたのは、『楕円マグカップ』と『円筒マグカップ』、1年ほど前に注文していたものの一部がやっと届いたのです。

 岡田直人さんの器は、雑誌や器店の案内などに、その名と共によく見るようになり、全国的に人気上昇中の作家さんになっているようです。

『楕円マグカップ』と『円筒マグカップ』は『丸ポット』と同様、Suiでも人気の器で、入荷を待っていてくれたお客様が何人もいらっしゃいます。

 やさしいアイボリーの色合い、シンプルながら他に見ないお洒落な造形は、岡田直人さんの誠実な人柄そのもののように思えます。

 在庫数のあるところで、是非手に取ってご覧ください。在庫が切れましたら、次の入荷はまた大分先のことになりましょう。   (Y)

2015.12.14