02 11月

アジサイとラベンダー

                      翠の窓vol.175

アジサイとラベンダー 

       
 

庭の花を切り店に飾るのが、私の朝一番の仕事です。

今はアジサイとラベンダー。

アジサイは、少し日が高くなるとくったりしてしまいますので、起きてすぐ、まだ日差しがやわらかく、朝露をあびて元気なうちに切ります。

我が家の庭で一番初めに咲き始めるのは、白いアジサイなので、しばらくは店内も白いアジサイ一色、この状態が好きなので、毎年アジサイの季節を心待ちにしています。

近ごろは、種類も多く色とりどりに咲き乱れてきましたので、どれを切って飾ろうかと迷ってしまいますが、一番のお気に入りは、何と言っても「フェアリー・アイ」です。

数年前に鉢植えでいただいたものを、家人が挿し木で増やし、今年は、それぞれの株も大きくなり、花芽も沢山つきましたので、惜しげなく切ることができるようになりました。いただいたときは、きれいなピンク色でしたが、我が家の庭に植えたものは、ブルーと赤紫まじりのブルーになりました。

これを店内で初めて見るお客様の中には、バラのような華やかさに、アジサイとは思わず、これもアジサイと聞いてびっくりされる方が毎年何人もいらっしゃるのが恒例です。

「フェアリー・アイ」は、夏の終わりから初秋にかけて、秋色に変化していくと、それはまたシックで素晴らしい色になっていきますので、それも大きな楽しみなのです。

ラベンダーも、から挿し木で我が家に定着してきました。店内用には、花穂の下の方が2つ3つ開いた位のものを選んで、花入れに入れますと、ラベンダー色も華やかに冴えて、良い状態を保てます。少し日がたって、花穂の花が1つ2つ茶色く変わり始めてしまうと、もう興ざめで、飾ってもあまりきれいに思えません。長く咲いていても、良い状態の期間は割と短いのです。

店に飾る以外にも、なるべくたくさん切り取って、お客様に自由に持って帰っていただけるように小さな束を作るのも朝の仕事です。帰りの車の中にただようほのかなラベンダーの香りが、この時季、Suiからのささやかなおみやげというわけです。

 アジサイに関しては、秋色になるまで”花の命はけっこう長い”ので、早朝の花仕事が当分続きます。

 お帰りに、Suiのアジサイロードをお楽しみください。

(Y) 2017.7.12