02 11月

9月のSuiギャラリーで

                        翠の窓vol.186

9月のSuiギャラリーで

 

これまでになく長い酷暑の夏も、9月を目前にして、やっと勢いを弱めてきたようです。

ガラス器で夏仕様の器のコーナーを、そろそろ入れ替える必要に迫られ、8月22日、小松市の九谷青窯へ仕入れに出かけました。

小松駅の駅舎を出た途端、熱風に晒されてくらくら、北陸の地も厳しい暑さに包まれた夏を過ごしていることがわかりました。

九谷青窯に出かけるのも、これで幾度目か。開店して間もなくから、その製品を置いてきましたが、日常使いに惜し気なく使え、あまり気をはらずに求められる安心感もあってか、仕入れた品々は、ふと気付くといつの間にか完売しているということを繰り返してきました。

九谷青窯では、常時10数名の若者が製作に励んでいますが、いずれ独立して自ら築窯することを目ざしている実力を秘めた若い人たちの前奏曲の様な作品の数々は、全国のデパートや器ショップでも変わらず人気を集めているようです。

今回は、新入りの作品がいろいろ。内側に絵柄の入った小鉢には、小さなおかずやお菓子を入れたら、毎日の食卓をにぎやかにしてくれそうです。平鉢、平皿、たわみ鉢なども個性的で、眺めていると我が家のおかずなら何を盛り付けようかと想像が膨らみます。

器好きの皆さんに、楽しい時間を過ごしていただきたい品揃えです。

壁面では、柳原良平さんのリトグラフを展示中です。ところどころにアンクルトリスが顔をのぞかせているので、「あー、あのトリスの・・・」と、アンクルトリスを懐かしむ声が度々聞こえてきます。

優れたグラフィックデザイナーであった柳原良平さんの魅力あふれる作品です。

 

度々の大雨や強風にもかかわらず、稲はたわわに実り、豊かな情景を見せてくれています。稲刈りまでの短い貴重な時間を、Suiの窓からあるいは庭のデッキで、存分にゆっくり過ごしていただきたいものです。(Y)

                          2018.9.1