お気に入りの器を見つけて
翠の窓vol.193
お気に入りの器を見つけて
遊佐に帰省中のIさんが、「欲しい器がいっぱいある・・・」と言いながら、Suiの器コーナーを熱心に見てくれていました。「忙しくて、毎日のおかずなどは、器など気にすることもなく、銀行からのもらい物のお皿なんかにチャチャッと盛って終わりのことが多い」のだそうです。
サービス品のもらい物の器だとしても、気にいって使うのであれば何ら問題はないのでしょうが、Iさんは、おざなりの器でチャチャッとすませてしまうということに流されてしまっている現状を、何とかしたいと思っているようでした。
日々の食事は特別な料理ではなく、さもないお惣菜の類の繰り返しですから、特別な器を用意することはなくとも、これらのお惣菜の映える器を選び、丁寧に盛り付けるだけで、食事を楽しむ気分も美味しさも断然違ってくることでしょう。
まだ若いIさんの食器棚が、間に合わせのものを除いて、自分の気に入った器が並ぶ食器棚になっていくように、エールを送りたい気分です。
数日前に、正木春蔵さんの器の新作が10点ほど届きました。正木さんの器をいつも心待ちにしてくれているSさんがさっそく来店され、色絵の片口と染付の筒碗を求められました。Sさんは、この器にはこんな料理を盛り付けようとか、こんな使い方をしようとかということを、瞬時にいろいろ思いつかれ、本当に気に入って求めてくださいます。
Sさんの食器棚には、きっと、これまで求めていただいたお気に入りの器が、きれいに並べられていることだろうと想像しています。
昨日は、Nさん姉妹が、東京から来られた親戚の方と来店され、正木春蔵さんの、これも新着の酒呑を気に入ってくださって、2家族それぞれ「マイ猪口にしよう」と、人数分を求めていかれました。
それぞれのご家庭では、新入りの器を加えて食卓を整え、美味しく楽しい食事の時間が展開されていることでしょう。 (Y)
2019.3.10