21 12月

ちょっと大きめがマイ・ブーム

翠の窓vol.145

ちょっと大きめがマイ・ブーム

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〈取り皿〉

夕食に、練り物のおでんを土鍋に用意しました。

さて、取り皿は・・・と考えて、先頃入荷したばかりの、正木春藏さんの「鶴松鹿図六寸皿」を使ってみようと思い立ちました。いつもは直径15〜 16cm位の平皿を使うことが多いのですが、「鶴松鹿図六寸皿」は少し大きめで、直径18cm、ふちが緩やかに立ち上がって、深みが3cm弱ありますので、おでんの汁もちゃんと受け止めてくれます。

お皿のふちに辛子を添え、練り物を一つ取って、汁も入れてと使ってみると、余裕のある大きさが心地よく使いやすいのです。鶴・松・鹿・扇と、いろいろ描きこんでいるわりに余白の白地の部分も多い染付の絵柄がよい上に、この大きさが気に入って、このところ取り皿としての出番が多くなりました。

〈受け鉢〉

鍋物をすることの多い季節、我が家の鍋物の受け鉢には、直径14cmの浅めながら鍋物用としては大きめのカップを使っています。フランスのJARS社のシンプルなフルーツカップなのですが、渋いグリーンのフランスらしいシックな色合いで、和食の鍋料理の食卓にも違和感なく馴染んでいます。以前は、一般的な小ぶりの小鉢を使っていましたが、これまた、鍋物の受け鉢としては大ぶりなこのカップがとても使いよいのです。

今日、正木春藏さんから入荷した「松竹梅文碗」がJARS社のカップと形・大きさがほぼ同じなのでびっくり。雰囲気は全く違うものの、使い勝手はきっとよいはず、おめでたい図柄でもあり、お正月の食卓にお勧めです。鍋物の受け鉢のみならず、小鉢として、また、小丼用として、ちらし寿司を入れたり、炊き込みご飯などを入れたり、用途が広いのも魅力です。

 

食卓は、どちらのご家庭でも暮らしの中心となるものではないでしょうか。

心あらたまる新年、いつもの食卓に、一つでも二つでも新しい器が加わることで、心が浮き立ちもし、気分も一新されることでしょう。

来年も、皆様の美しいおいしい食卓作りに、Suiの器をお役立ていただけますよう願っております。 (Y)

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2014.12.21

06 12月

『美しい暮らしを奏でる4人展(カルテット)』余波

翠の窓vol.144

『美しい暮らしを奏でる4人展(カルテット)』余波144-1

 

「美しい暮らしを奏でる4人展」を終了しました。1ヶ月半の会期中700名近いお客様に展示をご覧いただきました。ありがとうございました。

それぞれの分野でご活躍の4人の作家の作品の一堂展示には、相当な見応えを感じていただいたことと思います。

普通の暮らしの場での展示にしたことで、シンプルで調和のとれた美しい暮らし方について、思いを馳せてくださった方も多く、ご自分の住まいと住まい方を見直そうと話された方も何人もいらっしゃいました。

我が家にも展示会の余波が及んでいます。

今回の展示会場を整えるにあたって、1階のすべての家財を移動した1部屋と、2階の2部屋を合わせて3部屋のレイアウトを大幅に変更することを思い立ったのです。

3部屋それぞれの従来の使い方を総入れ替えするという大胆な発想で、家具の大移動をしたのに始まり、クローゼットの中身の整理(見直し・処分)まで、全面的な整理・整頓に手を付けたところです。

この場所に住まいして8年目、元々持ち込んだものも家具等も少なかったのですが、整理整頓の気力が年々衰えてきたのは明らかで、少しずつよどみの出てきた家屋内をすっきりさせるには絶好のチャンスとなりました。展示会の思わぬ効用です。 不要の物が除かれ、全ての物が納まる所に納まった暁には、鳥海山と大地のパワーあふれる氣が家屋内にも充たされることでしょう。それでこそ私達の本当の「美しい暮らし」が始められそうです。

(Y)

 

2014.12.6

19 10月

Suiオリジナルメニュー 美味しさの三重奏「ジンジャー カボスティ」

翠の窓vol.143

Suiオリジナルメニュー

美味しさの三重奏「ジンジャー カボスティ」143pic1

 

カボスが手に入る季節になったので、今年も「ジンジャーカボスティ」をメニューに加えました。

初めて飲まれたお客様が、ジンジャーティを口にして「あっ、これだけで美味しい」とつぶやかれるのを聞く度にうれしくなります。ジンジャーティだけで十分美味しいのですが、カボス果汁の爽やかな酸味が加わった美味しさは、初めての味という方がほとんどでしょう。

ジンジャーティは、大分前から一般的な飲み方になっていますが、私は昔からカボスが出回るとカボスティにして飲むのを楽しみにしてきました。昨年の初冬、ふと、美味しいものどうしのジンジャーティとカボスティを一緒にしたらどうかしらと思いついて作ってみた「ジンジャーカボスティ」が、思いがけない美味しさでしたので、毎朝飲むのが習慣になり、Suiのメニューにも加えてみました。

昨年、飲み始めて2か月経ったころ、はきなれたズボンにゆるみを感じるようになって、体重も明らかに減っていったのは、うれしい副産物でした。燃焼系のジンジャーとビタミンたっぷりのカボス果汁が思いがけない効果をもたらしてくれたようです。

使っているのは、有機栽培の国産(静岡)紅茶、有機栽培の生姜や国産レモンなどで作られるジンジャーシロップ、無農薬で作っている神奈川県のカボスと、吟味したものばかり、「美味しさの三重奏」が今年のキャッチフレーズです。

今年も、メニューに加えて1か月、リピートされる方が目立つようになり、お友達にも勧めてくださっている様子がうかがえ、Suiの秋冬のお勧めメニューとして定着していけそうです。        (Y)

 

 

2014・10・19

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雪帽子を被った鳥海山。初めて姿を現した19日の「22山麓」からの映像。

17 9月

九谷青窯の器

翠の窓vol.142

九谷青窯の器          C:\Users\suisui\Pictures\2014-09-18 001\CIMG1528.JPG

九谷青窯(石川県小松市)に行ってきました。

黄金色に輝く庄内平野をぬけ、新潟・富山に近くなるに従って、刈り入れの済んだ田が多く目につくようになり、北陸には一足早い秋が進行しているのが分かりました。

久しぶりの訪問でしたが、たたずまいに変わったところは何もなく、出来上がった器の収納室には、相変わらずたくさんの器が棚にも床にも所せましと山積みされていて、若い陶芸家のたゆみない作陶の日々を物語っているようでした。

30数年前に秦耀一さんが開いた九谷青窯では、あくまで日常使いとなる食器に的を絞った器作りが続けられており、常に10数名の若い作り手が、それぞれの思いに沿った器を作り出してきました。ここから巣立ち独立して活躍している陶芸家も多く、Suiに置いている白磁の岡田直人さんもその一人です。

さあ、今日はどんな器に出会えるかと、わくわくした気分で見て回っていると、時の経つのを忘れてしまいます。

C:\Users\suisui\Pictures\2014-09-13 002\CIMG1487.JPG 自分でも使ってみたい、展示したいと思う器をピックアップしていくと、今回は染付のものが集まってきました。手が伸びるのは、藍色の絵柄はあくまでシンプルで、形状もシンプルながらユニークなおしゃれ感のあるものばかりです。

荷が届き次第展示します。

美味しい秋のお料理の盛り付けがきっと楽しくなることうけあいです。お楽しみに。

(Y)

2014.9.17

03 8月

正木春藏さんから

翠の窓vol.141

正木春藏さんから、『色絵染附山水文大鉢』vol86-2『色絵花蝶文楕円大皿』とのびやかに箱書された大きな桐箱が2つ届きました。

この春、九段の「暮らしのうつわ花田」で、正木さんのお弟子さん2人が個展をした際に、正木さんの作品も数点展示されたのですが、そのうちの2点をSuiが求めたのに対して、正木さんが箱書してくださったのです。

この2つの大作は、10月の矢澤金太郎の家具展の折に展示し、皆様にご覧いただく予定でおります。

正木春藏さんの器をSuiに置かせていただくようになって、この夏でちょうど3年になります。素地作りを奥様の道子さん、絵付けを春藏さんが担当して生み出される正木さんの色絵や染附の器は、絶大な人気があり、全国に大勢のファンがいます。私も正木さんの器の虜になって十数年になりますが、人気の絵柄や形のものはもちろん、新しい作品が毎年いろいろと作られ、その魅力が尽きることはありません。

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Suiでは、当初、正木さんの器を手にして見るのは初めてというお客様ばかりでしたが、一つ二つとお求め頂いて、今では相当数の器がSuiから広がって使われていることを思うと夢のようです。

何人かのお客様は、正木さんの器にすっかり魅了され大ファンになって、新しく入る作品を心待ちにしてくださるのはうれしい限りです。

先日も、入荷したての「双鳥文大皿」は、さっそく正木さん「色絵花蝶文楕円大皿」 の作品を待ちかねていたお客様の手元に。

これからも、どんな作品が生まれてくるのでしょうか。楽しみは増すばかりです。

(Y)

2014.8.3

01 7月

庭の花、野の花

翠の窓vol.140

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7月。残雪がどんどん少なくなって、鳥海山は翠(みどり)の山になりました。稲の緑も風にそよいで豊かな青田になってきました。

オープン6年目の夏、今年も、初めてSuiを訪れた方々は、窓からの眺めに「わぁ、すごい!」と驚きの声をあげられます。一息ついて、窓際のアイアンツリーに気づかれると、これまた、大方の方が「これ、いいわねぇ」と注目してくださいます。

今日のアイアンツリーの花は、昨日までの白いあじさいに変わって、ブルーのガクアジサイ。キャンドルツリーとして求めたアイアンツリーは、今や季節毎の花を飾るフラワーツリーとして活躍してくれています。

この地に住み始めたときは、川沿いにブルーのあじさいが一株あるのみでしたが、家人が毎年挿し木をしてきたので、今は、隅田の花火・てまりてまり・アナベル・フェアリーアイなど10種類ほどのあじさいが次々に咲くようになり、それらを飾ることが続きます。あじさいの後も、秋の終わりまではいろいろな花が咲き続けますので、店内に飾る花は、ほぼ庭の花でまかなうことができます。

この頃、お客様が目に留めてくれるものがもう一つ、「poco」と名付けられた天然木の一輪挿しです。花屋さんで求める花よりも路傍の野の花の似合う一輪挿し、玄関や食卓、ちょっとしたコーナーにさりげなく置いてみたいとイメージされるのでしょう。

それぞれのご家庭での美しい暮らしの一助になっていることをうれしく思います。

C:\Users\suisui\Pictures\2014-07-04 001\CIMG0077.JPG 昨日は、正木春蔵さんから新作の器が届きましたが、マグカップと小皿の色絵柄が、期せずして野花文で、Suiの器のテーブルに野の花が並びました。

野の花を飾り、やさしい野花文のマグカップでおいしいお茶を召し上がってみませんか。

(Y)

2014.7.1

17 5月

翠の窓vol.139 : お客様の志をいただいて

3月、例年より早い雪解けが進んでいた頃のことです。

「生徒さんたちが来てるよ。」と呼ぶ家人の声に、「生徒って?」と、いぶかしく思いながら玄関を出てみると、ワゴン車から降り立った女子高校生の方々が6名、引率の先生方と一緒に並んで待っていてくれました。

皆さん 酒田市内の山岳部員の高校生で、まだ雪深い鳥海山の万助小舎からの帰り道に、Suiに寄って挨拶していこうということになったとのこと。

Suiをオープンして以来、鳥海山の素晴らしい眺めに魅了されている日々、鳥海山登山の一拠点となっている万助小舎が庄内の山岳部の高校生が管理していると聞いて、鳥海山を愛する若人たちを応援したいとの思いで、毎年Suiを訪れてくれるお客様一人につき5円の寄附金を売上金の中から贈ってきました。

Sui5周年になる今年も、この1年間にSuiを訪れてくださった延べ5300人余のお客様分をお渡しできます。

ささやかな金額ですが、生徒の皆さんの小舎掃除の後のジュース代にでもなればとの思いでいましたが、これまで山岳部では小舎改修費用の一部などに役立ててくださったようです。

これは、オープン以来Suiを支えてくださった延べ25000余名の志とも言えましょう。

日に日に緑が鮮やかになっている季節、鳥海山の麓からも緑の帯がせり上がっていくのが見渡せ、それは鳥海山が眠りから覚めていくかのようです。

今年も大勢の方々が鳥海山登山を楽しまれ、Suiからは大勢のお客様が雄大で美しい鳥海山の眺望に心奪われることでしょう。  (Y)

2014.5.17

26 4月

翠の窓vol.138 : Sui5周年

 

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「この写真を見て、一度来たかったんですよ。やっと来られました。」

と言って、岩手からわざわざ出かけてこられたというご夫妻が手にしていたのは、情報誌『クレードル』(2011年5月号)です。

2009年4月26日のオープン以後、Suiは口コミで沢山のお客様に知っていただくようになっていましたが、オープン2年後の春にクレードルの取材を受けて、更に大勢の皆様に訪れていただけるようになった懐かしい紹介記事です。

それから更に3年を経て、本日Suiは5周年を迎えることができました。この間延べ2万4千人をこえるお客様を迎えながら、楽しく充実した日々を過ごしてこられましたこと本当にありがたく、感謝申し上げます。

春の陽ざしが日に日に強くなり、残雪を残す鳥海山に、種蒔き爺さんの姿が現れ始めました。

目の前の土門さんの田では、いよいよ今日から田植えの準備が始まるようです。まもなく水田が整い、今年も、田植えから稲刈りまで、豊かな実りの過程を見せてくれることでしょう。

毎年くり返される変わることのない眺めながら、これは正に日本の原風景、四季折々見飽きるということがありません。

若葉の美しい季節でもあります。日々刻刻変貌していく緑の饗宴は圧巻です。

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Suiおすすめの季節をどうぞお楽しみください。  (Y)

2014・4・26

15 4月

翠の窓vol.137 : Suiの朝

 

昇りかけた朝日の光の中を、S夫妻が「しらい自然館」からの田んぼ道を下りてきました。愛犬のハナも一緒です。少しの間、リードを外してもらったハナの全力疾走は遠目に見ても本当に気持ちよさそうでした。

「気持ちよかったァ、ちょうど良い距離ね。」

と、朝の散歩に夫妻もハナも大満足の様子。

早朝6時、Sui店内にも朝の光が満ちてまぶしいくらいです。

「気持ちのよい散歩をして、ここで朝のコーヒーをいただくなんて、なんて贅沢な時間なんでしょ。」

との奥様の言葉に、

「ここは空気感が違うね・・・」

と、遊佐が初めてのご主人もすっかり気に入った様子です。

昨年、私たちの友人のОさんに案内されて初めて足を運んだ遊佐が気に入ったSさんが、ご主人を誘っての2度目の来店です。

お二人は昨日は、「しらい自然館」に宿泊することにして、夕食を我が家でご一緒しました。折からの満月を見ながらの月見の宴となり、9時過ぎ、月明かりの中「しらい自然館」まで歩いて戻られました。紫がかった群青色の夜空に浮かぶ残雪の鳥海山は、それは幻想的な眺めでした。

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今朝は一転して明るい陽ざしの中、散歩がてらSuiに来てくれたというわけです。Sui周辺の、早朝や夕刻から夜にかけての景色は、日中の眺めとは全く異なる魅力にあふれています。

早朝の景色を味わってみたいと思われたら、どうぞご連絡ください。オープンしておいしいコーヒーを用意しておきます。

朝の光、清々しい空気、鳥海山、動き始めた田んぼ、気持ちのよい散歩道・・・共々お待ちしております。  (Y)

2014・4・15

17 3月

翠の窓vol.136 : 満月オレンジ色に輝く

 

昨夜の満月の月の出をご覧になりましたか。

それは見事なオレンジ色の大きな月が昇りました。

リュウココリーネ

リュウココリーネ

夕飯が終わりかけた7時少し前、障子を開けていたガラス戸の向こうの暗闇の中に、赤い半円が浮かんでいるのに気が付きました。「あっ、出てきた」と言うなり、すぐさま家人はカメラを持って二階へ。

その間にも満月は静々と、鳥海山の裾野からその全身を現していきました。こんなに綺麗なオレンジ色の月はめったに見ることがありません。開けた窓からの冷気に包まれながらも、しばらく見とれてしまいました。

その後、キッチンで片付け物をしながら、しばらくの間、満月がオレンジ色を保ちながら、音もなく昇っていくのを見ることができました。

夏や秋には、気を入れてみている満月ですが、寒い時期には雲が出ていて見られることが少なく、これまでは、あまり関心を払うこともなく過ごしてきてしまったようです。

3月17日 18:52 月の出

3月17日 18:52 月の出

昨日は、久しぶりの晴天で、一日中、雪を抱いた鳥海山が青空を背景に全容を見せていました。3時を過ぎると、うっすら漂っていた雲も全てとれて、月の出を見る期待が高まっていました。

5時近くになって来店された2人のお客様も、それぞれに鳥海山の見事な眺めに見入っていましたが、月の出まで待てないことを残念がって帰られました。

どこかでこの見事な月の出に気付かれていたらいいのですが。

(Y)

2014.3.17