翠の窓Vol.15 : 椿庵
椿庵
若い頃から『赤』い色に心ひかれることが多々あったように思います。
女性誌で「椿庵」の紹介記事を見たとき、そこに展示されていたシックな赤に目を奪われました。
椿庵は、能登の七尾市に九谷焼陶芸家の吉田洋子(よしだひろこ)さんが作られた茶室兼ギャラリーです。長年いつかは訪ねてみたいと願ってきたことが、Suiをオープンしたことで実現しました。
金沢美術工芸大学を出て「椿庵」を築いた吉田さんは、いろいろな工芸展・美術展で受賞を重ね、昨年はウェッジウッド本社デザイン室に派遣され新しい技に挑戦するなど、活躍めざましい方です。
竹林の中に建てられた椿庵は、壁も床も総桐のすっきりしたモダンなたたずまいで、午後の日差しが移ろうままに、竹林を通った光を室内に映す幻想的な空間をつくっていました。笹の葉が風に揺れると室内に届いた光もゆらゆらと揺れ、一緒にゆれているような不思議な気分になります。
そこに飾られた赤絵の蓋向、平皿、キャンドルスタンド、花生け・・・ いずれもあの雑誌で釘付けになった『赤』を目の当たりにしました。
クリスマス、お正月の食卓にはぴったりだなあと、いろいろなイメージがわいてきますが、日常的にも、食器棚の中や食卓にこの赤が一つ二つ置かれるだけで、心楽しく、華やいだ気分にしてもらえそうです。
Suiのテーブルで、モダンな赤絵の器を手にとってご覧ください。(10月1日より展示します)
皆様の食卓に、きっと華やいだ彩りを添えてくれることでしょう。
(Y)
2009.9.26