13 8月

翠の窓vol.43 : 『おふくろの椅子』

 

矢澤金太郎さんの『おふくろの椅子』が入荷しました。

お客様に好評だったどっしりした『おやじの椅子』に比べ、ロッキングチェアタイプなので、優しい雰囲気が漂います。

素材は檜、矢澤さんの作品の特徴であるトビカンナ仕上げの漆塗りでご覧の通りの重厚感。ゆったり座り、本を広げたらそこはたちまち書斎になり、あるときは思索の場となり、刺繍などの手芸を楽しむ場となり、ご家族と語らう場となり・・・

自分専用の椅子があるって、ちょっとした贅沢ですね。それがこの『おふくろの椅子』だったら尚更のこと、毎日どんなにか豊かな気持ちで過ごすことができることでしょう。試しに座って鳥海山を眺めてみました。座面が低いのでとても座りやすく安定感があります。時折自分で揺らしているうちに、すうっと引き込まれるように眠ってしまいました。ちょっとした午睡にぴったり、体のどこにも違和感が残らず気持ちよく目覚めました。

安い買い物ではありませんが、これは確実にご家族に引き継がれていく椅子です。思い出とともに娘さんへ、息子さんへ、そして、お孫さんへ・・・ 豊かな時間と心地よさもそれぞれに引き継がれていくとしたら、ご家庭の核となる宝物になることでしょう。

ちなみに、Suiに置いてある『ゆったりチェア』も同じ矢澤さんの作品ですが、我が家のリビングで10数年、そして今お客様に入れ代わり座っていただいて、ビクともしません。この先、どのように受け継がれていくのかと想像するのは楽しいことです。

(Y)

2010.8.13