10 9月

翠の窓vol.46 : 岡田直人さんの白磁

 

作家の岡田直人さんに初めて会ってから5ヶ月、待ちに待った器が届き、器コーナーのメインテーブルに白磁の作品が並びました。オフホワイトの優しい色合いは、染付けや色絵の器とは違う魅力を放っています。

この春紹介してくださる方がいて工房を訪ねると、注文品の発想準備に忙しいところを快く対応してくださった岡田さんは、実に爽やかな好青年でした。

春から夏にかけての個展のために制作された大量の作品を惜しげもなく見せてくださった中に、一番に釘付けになったのはポットです。ころんとした丸い形、平たい蓋、持ちやすそうな把手、細い注ぎ口、探していた物があったと直観しました。

とてもシンプルエスが、よく見ると細かいところまで神経の行き届いた造りになっているのがわかりました。把手に施された凸部分には、親指が具合よく掛かって安定して持てます。空気を入れるために本体に刻んだ切り込みは、蓋をすると見えないようになっています。そして、注ぎ口の角度やその先にわずかに施されたとんがりが、水切れを完全なものにしてくれます。

このポットと対にして使いたいカップも2種類選びました。円柱のような小振りなマグカップ、口の開いた楕円のマグカップ、どんなお茶をいれてもおいしそうです。また、しのぎの猪口は、お酒に限らずお茶にも。しのぎのフリーカップは、秋のビールをおいしくしてくれそうです。

どれもまずは自分で使ってみたい物ばかりえす。皆様も、手にとってその形のよさ、持ちやすさを実感してみてください。今後は、平皿や鉢ものなど日常の食卓にのせたい器を増やしていく予定ですので、ご期待ください。(Y)

2010.9.10