01 10月

翠の窓vol.48 : 稲が一番

 

今日から10月、気持ちよく晴れわたった秋晴れの一日、翠の目の前に広がる田んぼは今年一番の賑わいを見せていました。

白と赤に塗り分けられた7~8台のコンバインがゆっくり行ったり来たりして着々と稲刈りを進め、刈り取った稲穂を待ち受けている軽自動車が道路に並びました。目を凝らすと、作業を進める人々が動いているのも小さく見えます。

「見渡す限りの所を買い取って、一面ヒマワリでも植えたら、素晴らしいイベント場にできますね。」

今年一番の賑わいをみせた山麓の稲刈り風景  というような想像をふくらませて語るお客様がたまにいらっしゃいますが、この景色を数年見てきた私達は、その都度、

「いやいや、何といっても稲が一番ですよ。」

と、伝える声にも力が入ってしまいます。

四季を通じての田の様子、稲の成長は見飽きるということがありません。

やっと目を覚ましかけたような雪解けの田んぼ → 田起こしされて黒い土の盛り上がった田んぼ → 水を張られて生き返った田んぼ → 若緑の苗が日に日に成長していく様 → 風にそよぐ一面の青田が次第に黄色く色づいていく様 → 黄金色の稲の広がり → 整然と並んだ枯れ葉色の切り株・・・

一面のヒマワリなども目を見張るものがあるでしょうけれど、それはその一時期のもの。稲は、一年通して様々な変化を見せながら目を楽しませ、気持ちを和ませてくれます。しかも豊かな実りを伴って。

稲が何といっても一番です!稲に勝るものは思い浮かびません。稲作りを支えてくださる農家の方々には感謝の念でいっぱいです。

鳥海山の見守るこの遊佐の里の何ものにもかえがたい風景と豊かな実りが変わらぬものでありますように。          (Y)  2010.10.1