09 11月

翠の窓vol.51 : 虹の里

虹

薄曇りながらあまり寒くはなしと、日の出の直前に散歩に出ました。

冷たい空気を切って歩き出すと、気持ちが清々としてきます。鳥海山の上の方にはグレイの雲がかかっていますが、西の空には青空も少しのぞいていて今日もまずまずのお天気が期待できそうです。

途中でパラパラと雨が落ちてきましたが、いつの間にか昇ってきていた朝日の雲間からの光を受けて光る様に見惚れて歩いていましたら、

「あっ、虹!」

みるみるうちに大きな大きな虹色の半円になりました。七色がそろった満点の色合いです。片方が田んぼの中から伸び上がった半円が、もう片方を100メートルほど先の車道に吸い込ませています。あの虹の足元に立ってみようと歩きだすと、あれっ! 虹も一緒に先に進んでしまいます。小さい頃、お月様と一緒に歩いたあの感覚です。

へえ、虹もそうなのか・・・ と、この歳になっての発見です。

しばらく歩くと、袋地の林から伸び上がった虹が、朝日に照らされた我が家の緑の屋根に吸い込まれているではありませんか。すご~い、何か大きな宝物をもらったような気分です。

実は、雨の合間にお日様が射すとき、Suiの窓から度々虹を見ることができます。それも、多くはちゃんとした半円で、時には二重に出現するときもあります。ここは虹の里だなと密かに思っているほどです。ちょうど運良くSuiの窓から虹を見ることができたお客様は、みな、

「わっ虹だ!何かいいことがあるね。」

と歓声を上げます。

晴天の鳥海山の景色は素晴らしいけれど、雨や曇天の日にも、こんな素晴らしい贈り物があるんですよ。     (Y)     2010.11.9