翠の窓vol.53 : ハレの日に
「お誕生日おめでとう。」
可愛らしいお嬢ちゃんと数人のグループから、うれしそうな声が上がりました。
あら、どなたかの誕生日!
居合わせた皆さんも、思わず「おめでとう。」と唱和しました。どうやら、主役はご年配の女性のようです。
「孫が毎日とってもお世話になっているんですよ。もう一人のおばあちゃんみたいなんです。」とのこと。
「お食事ということも考えたんですけど、今日はこんなにいいお天気で、きっと素晴らしい眺めが見られると思って、こちらにしました。」
と、お茶とケーキでなごやかな誕生祝いのティータイムを過ごされました。
今日は朝から雲一つなく、雪化粧の鳥海山が青空にくっきりと浮かんで、絵に描いたような晴天です。
風景もご馳走。日常のハレの日に、Suiを舞台に選んでいただいたことを心からうれしく思いました。
そういえば、この春には庄内在住の外国の3人家族がいらして、お母さんの誕生日だからといって、Suiの器のコーナーから一輪挿しのオブジェを選んでプレゼントされるということもありましたっけ。
今日居合わせた方が、
「ここで自分の誕生日を自分で
お祝いするのもいいわねぇ。」
と言って帰られました。
ささやかでも心なごむ空間を提供し続けられるようにと心新たにした一日でした。
(Y)
2010.12.2