翠の窓vol.62 : Sui2周年記念企画
例年になく雪が多かったこの冬、2月に入るや晴天が続き「春が駆け足でやってきた」(翠の窓vol.60)と喜んだのも束の間、思いもかけない3.11の惨状に、春を愛でる心は凍結してしまう心地がしています。
Suiは、4月に2周年を迎えます。
その日その日を過ごすことに精一杯で2年もやってきたとは思いがたいのですが、数えてみれば8千余名の来店数になり、本当に多くの方に支えて戴いてきたのだと感慨深いものがあります。
ギャラリーは、2周年の企画を第4回『父の書と息子の表装二人展』と決め、表装をしている息子である家人は、冬の間表装制作に取り組んできました。この二人展はSuiでの開催は2回目になりますが、書や掛け軸に興味を示してくださる方が思いの他多く、昨年は何人もの方に「掛け軸の展示はしないのですか」と言っていただきました。
書は全て家人の父である長登東皐(とうこう)の物です。東皐は一昨年『百歳万々歳』の書を残して他界しましたが、生前書き溜めた作品が数多く残されています。今回は、その中から企画展の季節に合わせて春に因む書を中心に選び展示する計画を進めてきました。
四季の中でもとりわけ人々が待ちこがれる春が、今年は想像を絶する厳しさの中に新しい一歩を踏み出さなければならない季節となってしまいました。それぞれの地での芽吹きを祈念しての二人展となります。
(Y) 2011,3,25
※ Sui2周年企画『父の書と息子の表装二人展』
期間 2011.4.1(金) ~ 5.10(火)