23 5月

翠の窓vol.96 : お客様一人につき5円を

 

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Suiに入るなり、「わぁ、すごいねぇ。」という感嘆の声や、「ねっ、すごいでしょ。」と自慢してくれる声をあげるお客様の様子を目にする度に、Suiをオープンしてよかったなぁとうれしくなる3年間をすごしてきました。

ここを訪れる誰をも魅了してやまない美しい鳥海山に、オープン当初より、私どもは何か報いることができないものかと考えていました。

ある時、鳥海登山の一拠点でありここから一番近い万助小屋が、酒田の山岳部の高校生によって管理されていると聞きました。そこで、鳥海山を愛する若人たちを応援することが、私どもの願いに通じるのではとの思いで、Suiを訪れてくれたお客様一人につき5円の寄附金を贈ることにしたのです。

Suiの3周年目の今年は、この1年間のお客様5343名分の寄付金をお渡ししました。その際、山岳部の顧問の先生から、

「万助小屋の手前に鈴木小屋というのがあって、そこは、高校生もよく利用する所なのだが、老朽化が進み改修に迫られている。ついては、寄附金をそちらの改修費用にさせてほしいのです。」

との申し出がありました。1年目も2年目も本当にささやかな金額ですので、生徒の皆さんが小屋を掃除した後のジュース代にでもなればとの思いでおりましたが、山岳部では何か有意義に使いたいと全てプールしておいてくださったようで、3年分を鈴木小屋改修費用の一部に役立てていただけることになりました。

これは、オープン以来Suiを支えてきてくださった15000名もの、お客様のご好意と言うこともできます。

遠目に眺めている鳥海山の懐(ふところ)では、酒田の山岳部の高校生を含む多くの人々の奉仕に支えられて、今日も登山を楽しむ人々が行き交っていることでしょう。「鳥海山は生きている」ふと、そんな言葉が浮かんできました。

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(Y)

2012.5.23