01 8月

秋色アジサイを愛でる

翠の窓vol.156

秋色アジサイを愛でる156-1

 

8月、夏まっさかりのこの時期に、今年も秋色アジサイの季節がやってきました。

8年前、この地に住み始めたときは、川辺に青いアジサイが一株あるだけでしたが、鉢植えで頂いたものや新種を求めたものを、家人が地植えにしたり、挿し木で増やしたりして、今や40株を超える様々なアジサイが咲くようになりました。

それらは、今年も初夏から2ヶ月余り、庭を彩るだけでなく、Suiの店内を飾る花としても楽しんできました。

中でも「フェアリーアイ」(フラワーオブザイヤーに輝いたこともある)という品種は、花びらの重なりがバラのような愛らしさで、今年も多くのお客様の目を引きつけているようです。

フェアリーアイが初めて庭で咲くようになった年の夏、盛りを過ぎて咲き残った花の色の変化にびっくりしてしまいました。鮮やかなブルーだった花が、部分的にブルーを残しつつ、モスグリーンに退色して、それはシックな色あいに変化していたのです。まるで違う花が出現したかのように完成された美しさです。

他の花もよく観察すると、白いアジサイは、薄いグリーンから、花びらの先だけが赤く染まっていき、青いアジサイは、グレーに退色しつつブルーとのグラデーションを作り、それぞれに柔らかなやさしい秋色に変化していくのでした。

これらの落ち着いた色合い同士のアジサイを束ねると、それは見事な秋色アジサイの花束になりますので、それを飾るのが、この時期の私のとっておきの楽しみになっています。

初夏から初秋まで目を楽しませてくれるアジサイ、何と息の長い花でしょう。家人は今年もまた新種を挿し木にしているようです。

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(Y)

2015.8.1