翠の窓vol.40 : 「好きなもの」だけで
7月になり、『木村昭三 スケッチ展』が始まりました。
昨年Suiをオープンしてから7つ目の企画展になります。
前回の『石田典子 水彩画展』の折り、展示会の案内葉書を持参しギャラリーに入って来られたお客様に「この展示はどこでやっているのですか」と問われて、虚を衝かれたことがありました。余りにささやかな壁面スペースで、お客様のすぐ横の壁面に作品があるのに気付かれないのでした。きっと広々とした展示場に作品が並んでいるとイメージされていたのでしょう。
ギャラリーというにはおこがましいようなものですが、「このギャラリーは貸してもらえるんですか」と問われたことが何度かあります。展示場所として気に入っていただいたとしたらうれしいことですが、貸しギャラリーとして使うことは考えていません。
Suiは、ティールームを中心にして、壁面やコーナーを私たちの好きなもので飾ろうという発想で作りました。貸しギャラリーにすると、どんな立派な作品としても私たちの「好きなもの」に外れるものの展示も受け入れざるを得ず、私たちにとって大変居心地の悪いことになってしまうことが考えられます。
あくまで私的なギャラリーとしての我が儘をお許しいただきたいと思います。
何はともあれ、ギャラリーSuiの一番の目玉は目の前の自然の姿、この前にはささやかなギャラリーは更にささやかなものとならざるを得ません。
(Y)
2010.7.6