翠の窓vol.70 : 石田典子水彩画展 Ⅲ
「こんにちは~」
と、聞き覚えのある柔らかな声と共に突然姿を見せた石田典子さんにびっくり!
近いうちに訪ねるとの手紙を数日前に読んだばかりでしたが、6月の個展開催中のことと思いこんでいたのです。
「6月ではだめなの。5月のこの空気を吸いたかったし、この景色を見たかったの。」とのこと。確かに、初夏に向かうこの緑の空気と6月になってのそれは別物で、山かげの紺色と木々の若々しい緑色のコントラストは、この時期だけの絶妙な色合いを見せています。
「ここは、ほんとうに美しい・・・」
と、5月の山と田園を堪能してくださったようです。
つい先だって3キロメートルほど先で熊が出たことが話題になると、
「熊の出る喫茶店?! そこで個展をするなんてねぇ。」
と言うので、大笑いになりました。
今日からの『石田典子水彩画展Ⅲ』では、上野の森美術館展出展作品である「山五十川にて」「立谷沢にて」や、鶴岡在住の3年間に出展した白甕社美術展の「咲いた咲いた」「浜中海岸」「ミラベラ」などの意欲作を中心に展示しています。
「時計台」「オリーブの丘」など、この季節にぴったりの爽やかな作品もご覧いただけます。
緑濃い遊佐の自然の中で、今年も石田典子さんの世界をごゆっくりお楽しみください。 (Y)
2011.6.1