08 9月

翠の窓vol.79 : 食卓の贅沢クレソンサラダ

 

知り合いの尾形さんが、クレソンを一抱えも持ってきてくれました。

まずはそのまま大きなガラス器に入れてキッチンのカウンターに置いて、豊かな緑色を楽しみます。

夕食には久しぶりに、クレソンサラダをいただけると思うと顔がほころんできます。

数年前に初めてクレソンをどっさりいただいたときに、これをいっぱい食べたいなと思い、ありあわせの大根を千六本にしたところにクレソンを山盛りにして混ぜ、自家製のドレッシングで食べてみたら、その美味しいこと! クレソンをそんなにいっぺんに食べたことはなく、その思いがけない美味しさに、すっかり虜になりました。

なにしろ、それまで都会では、クレソンはせいぜい4・5本を束にしたものが300円位もして、それしか手に入らないので、クレソンを主体に食べるなどという発想は浮かびもしませんでした。

尾形さんは、休耕田に清流を引いてクレソンを栽培しています。

実は、遊佐に初めてクレソンを持ち込んだのが、尾形さんの祖先の長五郎さんという方だったそうですが、当時はクレソンなど食べるものとは思われず、清流にあまりに蔓延るようになって始末に負えず「ちょんごろぐさ」と言われて忌み嫌われたものだったと聞いて、びっくりするやらおかしいやら・・・

今や高級食材と知ったら、当時の村人はどんなに驚くことでしょう。

今朝は思いついて、クレソンとリンゴでジュースを作ってみました。リンゴの甘味に助けられて、独特の苦味も大人の味と思える喉ごしで、これもなかなか。

大根がみずみずしく美味しくなる季節、しばらく『クレソンサラダ』は、我が家の食卓にちょっぴり贅沢で豊かな気分を運んでトマトサラダにもくれることでしょう。     (Y)

2011.9.8