翠の窓vol.106 : 『ふだんづかい、贅を楽しむ』
東京の器屋さんで開かれた正木春蔵展に行ってきました。
ほぼ1年前の個展では、「組み物」などの大きな作品が並びましたが、今回は『ふだんづかい、贅を愉しむ。』という案内でしたので、小さなものかな
と思っていましたら、盃から大皿まで、それは見応えのある展示会でした。
中でも目を引いたのは、丸形や台形の土瓶です。ころんとした形も楽しく、それに描かれた色絵染付の絵柄の華やかなこと! こんな土瓶を見たことがありません。20個ほど並んだ土瓶のどれ一つとして同じ絵柄はなく、目移りして選ぶのに一苦労です。
円形や四角形の大小様々な皿、大皿、盛鉢、飯椀、湯呑、盃・・・ ほとんどが色絵や染付の一点ものの絵柄で展示されているのですから、それは見応えがあり、あれやこれやと迷いつつ2時間があっという間に経ってしまいました。
一目で正木ファンとわかる方々が次々に訪れ、次々に買い求めていく様も壮観でした。
ふだんづかいとは言え、『贅を愉しむ』とある通りの作品ばかりですが、本当に気に入った作品が一品あることで、どんなにか豊かで心満たされる食卓になることでしょう。
Suiでは、昨年より正木春蔵さんの作品を取り扱っていますが、展示当初から一目で正木さんの作品を気に入って求めてくださる方々が増えてきていますので、正木ファンの一人としてもとてもうれしい限りです。
本日より、求めてきたその作品の一部を展示いたしますので、既にご紹介している作品と併せて、心ときめく正木春蔵ワールドをごゆっくりお楽しみください。
(Y)
2012・10・7