31 10月

翠の窓vol.108 : 紅葉真っ盛り

 

vol108-1

鳥海山の山肌が日一日と色づいて、秋の深まりを感じるこの頃です。

紅葉が進み、数日前には山全体が赤く耀いて息を呑むような光景に見とれました。山頂には何度目かの雪を頂き、青空を背景にすっくとそびえている姿は、北斎の赤富士を連想させる美しさでした。

ここ数年聞かれた鳥海山の楢枯れの言葉も今年は聞くこともなく、本来の紅葉に彩られているようで、この地に住み始めて以来、一番の見事さのように感じられます。

Suiには、このところ度々、高瀬峡の大滝に行ってきたとか、家族旅行村や祓川方面へ行ってきたというお客様が寄ってくださることがあり、紅葉狩りを楽しんでこられた様子をお聞きします。この時期たくさんの方が、鳥海山に入っているのでしょう。

今日は、会津に若くして稼業の会津塗りを継承してがんばっている方がいると聞いて、会津若松へ車を走らせました。

新庄までの最上川沿いの山々は、紅葉が始まったところという感じでしたが、米沢を抜け、福島県への県境に向かう山道では、いくつかのトンネルを抜けるに従ってそれは見事な紅葉に染まった山々を眺めることができました。

道路の両側に迫る山々は幾重にも重なって、その上から下まで全体が錦の紅葉です。様々に色づいた木々の一つ一つがこんもりとして重なっている様は、ゴブラン織りのよう、家人と二人「すごいねぇ・・・」としか声が出ず、思いがけない紅葉狩りを堪能しました。県境の大峠を越えるこのルートは初めて通る道でしたが、紅葉狩りには絶好のルートを発見したようです。

明日から11月、紅葉に彩られた鳥海山が白一色に変わっていく日も遠くないことでしょう。

(Y)

2012・10・31

Suiの奥にある舞沼の風景

Suiの奥にある舞沼の風景