カタクリの花の群生に出会う
翠の窓vol.152
カタクリの花の群生に出会う
用事があって秋田市に出かけた帰り、久しぶりに角館に回ることにしました。
武家屋敷のしだれ桜は、あちこちに少しずつ開花しているところがあって、小さなお花見ができました。
思い立って、知人のSさんの店を訪ねると、折よく店に出ていたSさんから、「桜には早かったけど、カタクリの花を見に行きませんか」との思いがけないお誘い。車で15分ほど山に入ったFさん宅のすぐ裏手の山に案内されて、唖然!! 広い斜面一面がちょうど陽が当たっていて、濃いピンク色の花におおわれているではありませんか。こんなに群生しているとは・・・
かねてから見たい見たいと願っていながら(特に家人は)、なかなかその機会に巡り合えなかったカタクリの群生にあっけなく出会えた瞬間です。その眺めはすごい!としか言いようがありません。
日陰になっている向かい側のこれまた広い斜面一面にも、群生は広がっていて、陽が当たるとそれは見事な眺めになるのだそうです。
それのみならず、少し先の山にも同じく群生している所があると聞いて、車で数分移動すると、まだ雪が少し残っている山道の先に、数本の栗の木がある山の斜面にカタクリの花が点在していました。時期が来ると、この一面もピンク色に染まるのだそうです。どの山も下草が刈られ、きれいに整備されているのはFさんご夫妻の並々ならぬ手入れの賜物であり、それあってこそ、この見事な群生が現出しているのでしょう。
角館に立ち寄ったこと。Sさんに出会えたこと。Sさんがカタクリの群生を見に行こうと誘ってくれたこと。雨の予報がはずれ陽がさす時間に山に行けたこと・・・
全てがうまく巡り巡って、永年見たいと願っていたカタクリの群生についに出会えたのでした。
不思議な気分で、家人は「度肝を抜かれた」と興奮覚めやらず帰途につきました。めでたし めでたし。 (Y)
2015・4・15