翠の窓vol.84 : 九谷青窯から
九谷青窯から、久し振りに器が入荷しました。11月上旬に九谷青窯に出向き、注文してきた品々です。
Suiオープン当初から展示している九谷青窯の器は、静かな人気があって、入荷して数ヶ月もするうちにほとんど売れて、気が付くと在庫が無いという状況です。白い地に描かれた色絵か染付けのシンプルな絵柄、求めやすい価格が人気の源なのでしょう。
30数年前に秦耀一さんが開いた九谷青窯では、あくまで日常食器に的を絞った器作りが続けられてきました。常時、10名程の若い作り手が、それぞれに個性的な器を作り出してきました。ここから巣立ち独立して活躍している工芸家も多く、Suiに置いている白磁の岡田直人さんもその一人です。
九谷青窯では、これまでに作られた器が大きな棚や床に所狭しと置かれている大きな部屋があって、そこでこれはと思う器を選んでくるのですが、お馴染みになったもの、初めて出会うものなど一つ一つ手にとって眺めるのは、つい時間の経つのを忘れてしまう楽しいひとときです。
先日、「気に入った九谷青窯の長角皿があったのに買わずじまいだったのを残念に思っています」というお手紙をいただきました。すぐに取り寄せられるといいのですが、在庫があるとは限らず、作り手が変っていくこともありますので、出会ったときがチャンスということになります。
今日からの新しい展示で、これがチャンスという出会いがあるでしょうか。普段の食卓に新しい風が入ることで、豊かなおいしい時間がすごせますように。
(Y)
2011.11.18