01 1月

翠の窓vol.111 : 年のはじめに『色絵染附角型平鉢』

 

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新年おめでとうございます。

クリスマス寒波の後一旦雪が融けてきたのに、次は大晦日から元旦にかけての寒波が来るとの予報にちょっと構えていたけれど、積もるほどの雪もなく、元旦の朝はもしかして初日の出が見られるこもとちょっと期待してしまう程の穏やかさでした。

昨年「師走」の言葉にせかされるような年末に、「今年はおせちは作らないで普段通りというのはどうかなぁ。」と言ってみたら、家人は「まあ、それでもいいんじゃない。」と気のない返事をしていたのに、いつの間にか、黒豆は今年も自分が煮ると言い出しました(アレッ、オセチツクルノ?)。

おせちと言っても、例年我が家では形ばかりのもので済ましているので大したことはないのですが、思いがけず、神奈川の友人から本場小田原の蒲鉾や伊達巻き等を送っていただいたり、金沢の知人からは加賀蓮根が届いたりして、おせち作りの弾みがついてしまいました。

形ばかりと言っても、蒲鉾や伊達巻きは必需品で大助かりです。

蓮根は筑前煮の必需品ですが、いつもはスーパーで一節を求めるだけで済ましていたのに、いただいた物は、五節くらいが連なっているもので(こんなに立派なものは初めて見ました)それが3本もあります。

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筑前煮以前に、蓮根を使ったレシピを探して1つ2つ作ってみると、これが思いがけなく美味しくて、おせちのニューフェースにもなりそうです。

31日、Suiのお客様が引けてから大急ぎで作ったおせちは、入れ物だけでも凝ってみようと思い立って、正木春蔵さんの『色絵染附角型平鉢』をお重に見立てて盛り付けてみました。

馬子にも衣装、元旦の簡単なおせちがこれまでになく豪華に見えました。

昨年も沢山の器に出会いましたが、どうやらこの『色絵染附角型平鉢』が私にとって昨年の「この一客」と言えるものになったように思えます。  (Y)

2013.1.1